僕は2016年の熊本地震の震災後にボランティアスタッフとしてお手伝いさせていただきました。
一番被害の多かった益城町というところへ行きました。

実際現地に足を運んで思わず声を失いました。
僕が今まで新聞やテレビで見ていた震災後の風景は所詮他人事のように見ていたのだなと自分自身深く反省しました。

四国に住んでいて大地震に被災したことがないので本当にこの現実に直面したときに強く胸が痛みました。

ボランティア活動に参加させていただいた理由ですが、自分が暮らしをつくる建築という仕事をさせていただいているにもかかわらず東日本大震災のときに自分は何もしてあげれなかった無力さがあり熊本の震災のときは自分で足を運び何かお役に立ちたいという思いで参加させていただきました。

ダルマ落としのように2階建ての住宅の1階部分が崩壊している建物がいくつもありました。
柱に取り付けていた金物もたくさん外れていました。改めて耐震構造の大切さを知りました。
現在国が定める耐震等級は1・2・3と最大耐震等級3と定められております。
一般的に普及されている木造住宅は構造計算をちゃんとしている住宅は実はあまり多くありません。
一般の方からすると「構造計算って当たり前にしているんじゃないの?」って思うとおもいますが
以外にもそうではないことが多いのが建築業界の現実です。
昔のお家は大工さんや工務店の感覚で「これで大丈夫」と根拠のない自信で仕事が行われていました。

僕はその現実を受け、
住宅作家では「どのお客様にも同じクオリティで安心、安全、快適をお届けしたい」
その想いから耐震等級3・長期優良住宅・HEAT20G2グレードを標準とさせていただいております。
言わばここの部分では絶対に替えれない(下げれない)部分です。
僕たちにとって住宅作家のお客様はどのお客様も大切なお客様です。ご予算の都合などで
その部分を変更すれば、いざ大地震がおこったときにお客様によって被害がバラバラになる。
「あー、あなたはあのとき予算の都合で変更したから壊れても仕方ないですよねえ」とは
この熊本の現場を知ってとてもじゃないけど言えないです。
実際崩壊している3軒隣はほとんど被害がない現実もこの目でみました。
「お客様の言う通りにするのが仕事」ではない仕事感です。
我々にはお客様を守る責任があります。

守ってくれるものは見えないところです。

安心・安全・快適は見えないところです。

これからも大切なものを大切にできる生き方をしたいです。