こちらの高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」を読もうと思ったきっかけは長男の高校に行った時、校舎の外に『祝!芥川賞受賞』的な垂れ幕を見てこんな近くに芥川賞作家さんがいるんや。と思い購入しました。この軽いノリがイラつき地獄のはじまりです(笑)

こちらの『おいしいごはんが食べられますように』は立体的に人間関係が書かれていてこれは誰が言ってるの?誰の事?などと、どうせでも相関図を理解するのが苦手な私にはちょっと難しく恥ずかしながら紙に登場人物の相関図を書いて読んでいました(笑)

今回は言いたい事だらけの内容だったのでちょっと熱量高めです。読んでる途中にに愛犬のサラと仁淀川にデイキャンに行ったのでそちらも合わせてどうぞ。

題名やカバーからほっこり系のお話かと思っていたら思いっきり裏切られました。職場の恋愛を含む人間関係の話です。読んでいてめちゃくちゃむかついてくるんですよ。個人的に嫌いなキャラが出てきたりして。会社勤めって色んな価値観の人と一緒に同じ社内や部署で仕事をすると思うんですが、まぁ腹立つ。登場人物のか弱くて自分の事しか考えてなくて、でも男性社員にモテる仕事のできない芦川に腹立つ。この本読んでからこのブログを書いている今現在までで3か月くらい経っているのに思い出しただけで嫌な気分になってきます。ある意味インパクトの強い作品ですよね。冷静に考えるとこれが読書の面白いところの疑似体験ってやつかもしれないです。

読了した後どうしても読み味に納得いかずネットで読んだ人の反応とか、芥川賞を受賞された理由など調べたり、高瀬さんのインタビューを読んだりして読了後のイラつきの答えを探してしまいました。

高瀬さんのインタビューで【むかつきからスタート】している。といわれていて納得。日常のモヤっと感や人と人の分かり合えない事を小説の題材にしているそうです。

そういわれてみたら、読者をまんまとイラつかせているので作家さんの思惑どおりの小説だと思います。

という事で「おいしいごはんが食べられますように」で印象に残ったところはこちら。

この箇所を読んだときにはっとしました。私も自分の働き方が正しいと思っている節がまだまだあるなと。一応経営者側の立場なので今の雇用体制だとか、今どきの若者の仕事に対する感覚だとか、柔軟に対応しないといけないなと思ってはいたのですが、それでも自分の働き方と比べてしまいます。この本を読んでからは、自分の正しさの物差しで人の事を判断しないでおこうと心に決めるのですが。

それでもですね、これだけで自分を納得させるのも違うんかなと思います。そんなことをぐるぐる考えて結局は誰かに合わせたり比べるでもなく、自分の価値観や仕事感で誰かのために一生懸命やるのみかなと結論に至るのでした。

言葉で言うのは簡単だけど、人間って難しい、時にきれいごとだけではいかないです。みなさんお仕事に家庭にご苦労様です。たまには毒を出して頑張っていきましょう。なんだかモヤモヤしながら腹立ちながらいろんなことを考えさせられた一冊でした。

イラつきを覚悟して読める方は是非読んでみて下さい。